盗賊

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 酒場を出たマントの人物は、周囲を見回し、遠くに青年の姿を見つけると、急ぎ足で追いかけた。 「何の用だ」  マントの人物が街の出口あたりで青年に近付くと、青年は後ろも振り返らずに問いかける。 「兄さん強いね」  マントの人物はまだ幼さの残る声でそう言うと、青年の横に移動する。 「お前は、酒場にいたな」  青年は、マントを羽織った少年の姿を見もせずに言い切る。
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