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「兄さん、目、見えないのかい?」
少年が尋ねると、青年はやっと立ち止まる。
「さっきからお前は何なんだ?」
やっと興味を持ってもらえたと喜んだのか、少年は嬉しそうに手を叩くと、
「俺はヴァンっていうもんでね。情報屋をやっているんだ」
「情報屋?」
「ああ。儲け話を仕入れては人に提供しているのさ。さっき酒場にいたのも情報収集の一環でね。兄さん、目の色が違う男、そう、男を捜しているんだろう?」
青年はやっとヴァンの言葉に興味を持ったらしく、目を布で覆った顔を彼の方に向ける。
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