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ランストンの一画にある酒場は、まだ昼間だというのに男達の喧騒で満たされていた。
隣国との境に位置し、貿易における要衝として栄えたここランストンの町も、数十年前に両国間で始まった戦争のため、度重なる戦禍にさらされる事となり、今ではすっかり荒れ果ててしまっていた。
町に来る者と言えば、戦乱の世に手柄を立て、身を立てようとする腕自慢の男か、戦乱により利益を大きくした商人達が運ぶ荷物を狙うために集まった野党達、そして、その様な者から荷物を守るために商人に雇われた用心棒くらいの物だった。
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