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そのような者達が集まるのは当然のように酒場だった。ある者は下卑た笑い声を響かせ、ある者はジョッキの酒を盛大にこぼしながら大声を上げ、そこはお世辞にも品が良いとは言えない場所である。
カウンターの奥にいる女将さんらしき小太りの女性は、それらの男性にも負けない下品な笑い声を挙げ、ジョッキの酒を飲み干した。
そんな状況だったため、古く、そして立て付けの悪い扉がぎしぎしときしみながら開き、そこから青年が入ってきても、そちらに注意を向ける者は一人も居なかった。
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