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「右と左の目の色が違う男を知らないか?」
女将の態度を気にした様子もなく、青年は尋ねる。
「はあ? 知らないね。注文しないんなら出て行ってくれないかい」
女将さんは冷たく言い放つ。
「少しの情報でも良いんだ、噂でも聞いたことはないか?」
青年がさらに言いつのろうとすると、不意に後ろから、
「おいおい、兄ちゃんよ。客じゃないんなら帰んな。こういう場所で物を尋ねるんなら、何か注文するのがきまりだぜ」と、大声で男性が叫んだ。集まっている人種から考えても想像できるとおり、大柄な男が多い店内でも、その男はひときわ大柄で、中背の青年と比べると頭が二つ分ほど飛び抜けている。
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