刑事×店

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店の前にいたのは、受けようと思っていたバイト先が廃墟だと思ったからだ。 ガセネタを掴まされたのかと。面接の予定はあったが諦めた。 そこは刑事に言える。しかし、深夜までボーッとそこに突っ立っていた理由は… BLの妄想シテタカラダヨー!!なんて、 言える訳ねぇえーーーっ!!!! 「あの、廃墟だと思ったから、あの、ガセネタだったのかと思って…家に帰ったら榊原店長から電話があったんで、今日改めて来たんです!」 「ガセネタだと思ってから、ずっと深夜まで店の前にいたのか?」 ギャァァやっぱり聞かれたー! 一番答えたくないことなのに! うううっ、どうするどうする!? やっぱり、刑事だし、逆らわない方がいいのかな…? 目も合わせられず、モジモジしている俺は明らかに不審だ。 鐘崎刑事の強い視線を感じる。 冷や汗が止まらない。さぞや、青い顔になってることだろう。 少し震えている手を戒める為、テーブルの上に乗っていた手をぎゅっと握っていると、その手の上に鐘崎刑事の手が重なった。 ………!? ぎょっとして鐘崎刑事を弾かれたように見返すと、鐘崎刑事はまるで聖母が舞い降りたような穏やかな顔で微笑んでいた。 思わず固まる俺。 「……すまなかった。言いたくないことは、無理して言わなくていい。」 え、いいの!?
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