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とうとう建物から出て、歩き始めてしまう。
「あ、あの!」
呼び止めた理由は俺にも分からない。
ただ、この人には隠さなくても大丈夫だと思ったんだ。
ただ、言うのが恥ずかしかっただけで。
呼び止められた鐘崎刑事はゆっくりこちらを振り向く。
俺は大きく息を吸った。
「瀬良椎葉はっ、俺の…-!
プたプいプせプつプなプひプとプでプすプ!!」
「……………」
「……………」
冷たい風が横切り、木の葉を飛ばした。
「わぉ!プスプ!?ゆきちん宇宙人と交信!?イケてる!!ゆきちんマジイケてる!ヒューヒュー!ヒューマノイド!」
「おまっ、どっから…ヒューマノイド!?」
森田緋の突然の出現に驚き、気を取られていたらいつの間にか鐘崎刑事はもう遠くの方まで歩いていってしまった。
…伝わっても恥ずかしいけど、伝わってなかったら俺ただの変人だよな。はは。
「瀬良椎葉は、俺の大切な人です、か…。フッ、やっぱり優しくて良いガキじゃねえか。
……そろそろ俺の長年の仕事にもケリをつけないとな…………
炎条路…」
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