焦る心

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私は勝手に不採用判決を下したが、女を見送った社長と店長は事務所に入るとコーヒーを飲みながら言っていた。 「あれは採用ですね」 「うん。女にしとったらもったいないでーあれは。事務って雰囲気でもないやろに。」 「事務で採用して営業に引っ張るんはダメですかね?」 「あかんやろなぁ、あの言い方からしたら。」 採用にするのか。 しかも何かできる感じなのか? ………気に食わないな。 「さっきの人、採用にするんですかぁ?」 会話に混ざってみた。 「おう。採用や。お前も1番新人じゃなくなるねんから頑張れよー」 「はいっ」 大好きな店長の激励に笑顔で応えた私だが、何だか焦りのようなものを感じた。
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