嫉妬と淫炎

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彼女の手柄を手にいれた。 これで大久保さんは[ただトイレの長い人]、私は[林さんを介抱してあげた優しい人]だ。 性格悪いと思われようとも、私は店長が好きなのだ。 店長に私以外の女を評価して欲しくないのだ。 部屋に戻ると、大久保さんは田中さんと話していて、店長の隣は空いていた。 私は店長の隣に座って、にっこり笑いかけた。 結局帰るまでずっと傍にいられた。幸せだった。 その時は私の女の意地の見せ所だと思い、あれこれ世話を焼いた。 家では最低限の事しかしないけど、それは私が悪いんじゃない。 旦那のためになんてやる気が起きないだけなんだ。 女はね、本当に好きな人の為なら綺麗にだってなるし、何でも出来てしまう哀しくて強い生き物なんだ。
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