潮騒の歌う街で

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私が晩御飯を食べていると 向かい側にりょんが座り込んで話しかけてきた 「あのさ ヒッキー 佐野先生のデートの誘いを断ったんだって?」 ぷぷっ!!! 思わず口からご飯を吹き出し、りょんにかかってしまった 「うぎゃ!」 「あ、ご ゴメン… り りょん…どこから聞いたの?」 「オホホ…主婦の情報源はいくらでもあるわよっ」 ご飯粒を取りながら、高慢チキな主婦を演じるりょん 「断った というか… どうしてもその日 外せない仕事があったから…」 「じゃあ 別の日で約束したの?」 「え…あの 先生も忙しいと思って… まだ…」 「そっか… ヒッキー アタシさ… デートの誘いを断ったって聞いて… もしかして アタシ達に遠慮してるんじゃないか って思ってさ」 「え やだ…違うよ 今度ちゃんと埋め合わせするつもりしてたし…」 「なら…いいけど… いい?ヒッキー 貴方は一人の女性として 恋も…結婚もしていいんだよ 私達の事は心配しないで… 自分がしたいと思う事をしてね」 「りょん…ありがと でも 私は りょんと… そらりんとの生活がしたいの だから 今のままがいいんだ…」 「ヒッキー…あなた強がって…」 「あ!時間遅くなっちゃう! そらりん!行こっか? じゃ りょん 行ってくるね!」
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