不良読書家の恋

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「秀!」 駅から出て走ってくる小柄な姿。 巴は高校から伸ばした長い髪を巻いて可愛い。服も白いコートにスカートとブーツと、めちゃくちゃ可愛い。 しまった!やっぱ帰ればよかった。 巴はちゃんと着飾ってきてくれてるのに俺は汚い仕事着。 「ごめん!電車乗り遅れちゃって。待たせちゃったよね?寒いのにごめんね!」 俺の格好には何も触れず謝る巴に黙って首を横に振る。 「待ってねぇよ。時間ぴったしだし。」 駅舎のデカい時計は待ち合わせの7時を指している。 いつも10分前には来てるんだ巴は。遅れたことがあんのは俺だ。その時は笑顔で気にしてないと言ってたけど、握った手はとても冷たかった。
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