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レフィの顔が喜色満面に変わると、机の上にあった依頼書を乱暴に取り、オイトリオに背を向けた。
「面白いね、この依頼、退屈しなさそうだ」
「おっと、ちょい待て」
その背をオイトリオが呼び止めた。
出鼻を挫かれたようで、レフィは顔をしかめて振り返る。
「なんだよ、ちゃんと調査するよ」
「違う違う。
今回は新人研修を含めて、おぬしに同行者を付けようと思う」
「いらないよ、そんなの。
体のいい監視役なんか付けなくても、僕はちゃんと仕事をする」
「おぬしに監視役なぞヘタクソに付けたら殺される可能性があるからそうそうに付けられんわ」
「お、言うねえ」
「今回は本当に新人研修じゃよ。
なに、アナフィア第三魔導学園に通ってるバイトの子供での、なかなか素養のある子じゃ。
あの子が入ってからは、このアナグラも随分と明るくなった」
「……へぇ」
なんか心当たりがあるような、ないような、そんな感覚のレフィだが、言葉には出さない。
そんなレフィに気づかず、オイトリオは机の端にあった電話を取ると、どこかに連絡を取り始めた。
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