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それに目を配ることなく、レフィはアウコンを操作し続ける。あっという間に画面は数字と計算式の羅列でいっぱいになっていき、それが整理されていった。
チラと明日の事を考えるが、無駄な思考だとシャットアウトする。来るはずがないのだから。
次の日。その日の授業が終わり、放課後になったばかりの時間帯。
ウルキと共に担当クラスのホームルームに出たレフィはボケーッとクラスを見ていた。
大事な知らせはウルキが殆ど言ってくれているため、やることがないのが実態だ。前に出なくてもいいか、と訪ねたところ。
「ダメですの。 副担任なんですから出てもらうですの」
と却下された。
そんなことを考えていると、ウルキの話が終わった。
「では、今日の授業はここまでですの。 また明日、頑張るですの」
机の上の書類を片付け、ウルキが壇上から降りると、生徒たちもそれぞれ帰り支度を始めた。レフィは話をすることもなく、教室から出ていこうとする。
「レフィさん、待って欲しいさー」
「ん?」
呼び止められ振り向くと、ナリルがいた。
「なんだ、なんか用か」
「聞きたいことがあるのさ。
野々村燐、知ってる?」
「ん、知ってるけど」
「今朝から彼の様子がおかしいんだけど、なんか知ってるのかな?」
「さあね、僕は知らないよ」
知らないフリでさっさと教室から出て行こうとしたレフィだったが、扉に手をかける前に開いた。
そこには、燐がいた。
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