3話 その生徒、落ちこぼれにつき

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その目はジッとレフィに向けられ、決意に満ちていた。 「おうどうした燐。 何かようか」 「あれ燐くん、どうしたのさ」 「わかってるでしょ、先生」 レフィの軽口に、燐は真剣味を帯びた声で返す。 そして、大きく頭を下げた。 「俺には! この『術式(コード)』を捨てることが出来ません! だから! 俺に外力勁を教えてください!」 「あ、俺には無理。 勁術の先生に話通しとくから、その先生に習え。 じゃ」 レフィはサラリと流して、燐の隣を抜けて教室から出ていった。 その腕を、燐が掴んで止める。 レフィは睨みつけるように燐を見た。 「離せ」 「先生が教えてください。 昨日言ってたじゃないですか」 「断る。 あれは言葉のあやだ。 ちゃんと勁術の先生に話を通すと……」 「あれから! 少し調べたんです。 外力勁は危険が多いうえに会得した人は少ないって知ってます。 それをうちの先生が知ってるとは思えません。 教えてくれるはずがありません。 でも、先生は知ってた。 知ってるなら、教えてください」 「僕にメリットがない」 レフィは腕を振り払った。
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