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そうして事務室までの廊下を歩きながら、レフィは苦々しい顔つきになった。
「口が滑ったな……。 それにあいつ、まさか外力勁を習いたいなんてトチ狂ったこと言いやがって。
あれのヤバさ、本気で教えたほうがいいな。
とはいえ、僕が教えるのは不自然すぎる。 勁術師じゃないと言った手前、詳しすぎるのは怪しいだろうし……。
どうしたものか……」
一人悩みながら、レフィは事務室の扉を開いた。
そのまま周りに目もくれず、指定の椅子に座る。ふと机の上を見ると、何やらメモ用紙が置かれている。拾い上げ見てみると、
『レフィ先生へ。
補習授業は順調でしょうか。 言い忘れていましたが、補習授業の終わりに実技テストがあります。
それで結果を残せない場合、燐くんはこれまで失敗していましたので、最悪退学処分となります。
私としてはそれは望ましくありませんので、レフィ先生には頑張ってもらいたいと思っています。
ウルキより』
と書かれていた。
「マジかよ……。 まあ僕には関係ないか。
あ、後で職員室によって勁術の先生に話通しとくか」
「あ、あの、レフィ、先生。
す、少し、よ、ろしいですか」
悩むレフィの横から声をかけられた。そちらを見ると、何やら書類を持ったギディヌが居て、何やら困った顔をしている。
「ああ、どうしたんですかギディヌさん」
「あ、あの、昨日作ってもらった書類で、生徒会が、作り直せと」
「はあ? 計算も陳情まとめもちゃんとしたのに?」
「はいぃ、私も、見ましたが、何の、問題も、な、ないはずですが……」
「……あのクソガキ共。
まあいい、どこが問題だったが……ん?」
ふと、レフィが目を転じると、ギディヌの首にチョーカーが装備されていた。よくその術式を読み解いてみると、最近見たものと類似している。
まさか、と思いレフィは訪ねた。
「あのギディヌさん、つかぬことをお聞きしますが、その『術式(コード)』……外力勁に特化したものじゃありませんか」
「ふぇい?! ど、どうして、それを」
「あ、いえ、最近それと同じやつを見たものですから。
ギディヌさんは、勁術師で外力勁使いなんですね」
「……む、昔の、話、です」
少し顔を曇らせてギディヌは言った。
暗い過去があるのか、とレフィは思ったがそれよりも、今、目の前の問題を解決する術があることに気づいた。
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