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そしてギディヌは準備を完了させ、眼鏡を外した。
「燐、くん。
しっかり、見てて」
その一言で、ギディヌは動いた。燐は目を離したつもりもない。目の前のギディヌの姿をしっかりと目に捉えていた。
だが、見失った。
爆発したかのようなスキール音。床が耐えられるのかというような音だった。
「ここ、です」
燐の背後で再びストップ音。気づいたときには右肩に手を置かれていた。
すぐに振り向くと、ギディヌがニッコリと微笑んで立っていた。
「え、ええ?」
「これが、外力剄の、上級剄術、『操体』。
体を、操る。イメージした、動きを、あらかじめ、決めて、その、あの、うう……」
「ギディヌさん、そこまででいいです。
俺が説明を引き継ぎますから」
顔を真っ赤にして俯き、眼鏡掛けたギディヌに、レフィは説明を引き継ぎ話す。
「今のが『操体』だ。あらかじめ決めた動きを頭の中でイメージして、その通りに動かす。
その際エネルギーを媒介にして、頭から体への信号を高速化させるんだ」
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