307人が本棚に入れています
本棚に追加
/163ページ
もうやることはないな、とレフィは考え体育館を後にした。
後はギディヌに任せて、自分は書類の続きをしよう。憎々しいガキどもの尻拭いという嫌な仕事だが、今やることだ。我慢するしかない。
体育館から悲鳴にも似た叫びが聞こえてくるが無視する。気にしてもどうしようもない。
数日後……。
「レフィさん、あなたはいつまでこの学校にいるつもりさー?」
「気が済むまで。誘導尋問には引っかからないよ」
「うー!!」
放課後、学校の屋上で仕事を終え、床に寝そべるレフィにナリルが問いかけていた。というよりここ数日同じ質問に同じ回答だ。
ナリルは蒼を練りあげ、周りに水球を出現させた。
「びしょ濡れになりたいのかい」
「その前に」
素早く銃を抜いて発砲、水球を破壊する。
「お前の眉間をぶち抜くぞ」
「冗談でもキツ、キツすぎるさ!!」
いきなりの出来事に、さすがのナリルも尻餅をついて驚いた。冗談でも銃の発砲をするものではないのは常識である。
銃を回転させ、ホルスターに仕舞うと、レフィは大きく欠伸をした。
「そういや、燐はどうした?」
「燐くん?ああ、彼は……」
「何か問題が?」
「それがさ、ここ数日で様変わりしたさ、彼。
少し前は術が使えないってのに、補習試験にはブッチギリの成績でクリアしたのさ。それでそのあとの授業なんかも余裕でクリアしてるさ。
勉強も実技も良し、さらには性格も素朴で謙虚。一気に株を上げたらしいさ」
「ふーん」
興味なさげに相槌を打ったレフィ、再び欠伸して目を閉じた。
目的の任務はまだ進捗していない。長い目で計画を建てる必要がある。そんなことをチラと考えながら。
最初のコメントを投稿しよう!