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「で、結局ナリルとあの野郎の関係は何なの?」
「ふぇ?」
その日の放課後、学園のある地区内の喫茶店で梓が口を開いたことが始まりだった。幸せそうにパフェを頬張るナリルは、突然の質問に手を止める。
口いっぱいに果物を詰め込んでいたので急いでそれを嚥下した。
「関係、て言われても……。
あたしとレフィさんは、バイト先の先輩後輩さ」
「にしては放課後結構会ってるやん。 誰だって怪しむに決まっとるよ」
「それは……、あの人が何でうちの学校に来たのか気になって……」
「かーー!
まるで恋人の如く! だから怪しむんよ!」
梓は注文していたカフェオレを一気に飲み下し、テーブルに叩きつけた。
「ともかく! うちはあんたが心配で、あの野郎が気に食わんのよ。
今の時代に物騒なものぶら下げて、何でうちの学校に来れたのか怪しすぎるわ。
というわけで、うちは決めたで」
「何を決めたのさ?」
「そりゃもちろん!」
梓は勢い良く立ち上がると、拳を震えるほど握り締めた。
「あの男の弱みを握るんよ!
んで、二度とナリルに近付かんように脅す!
隣のクラスの野々上もあの男に関わって変わったし、ほっとくと何しでかすか分からん!」
「……まぁ、学校内で発砲してるし、あながち危険じゃないとは言えないけどさ」
梓の張り切り具合に対し、ナリルは乗り気でないように肩を落とした。
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