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「何してんの?
何その床のやつ」
「おおう」
いきなり後ろから話し掛けられ、レフィは振り向きながら太刀に手を掛ける。
そこには梓が不思議そうに床の水を見ていた。
「なんなんそれ。 どうして色変えてん?」
「いや、これは何でもない。
ただ水を零しただけだ」
「ふーん、そうなん」
いきなりニヤニヤと梓は笑顔になった。意地の悪い、悪者の笑みに見える。
嫌な予感がするが、今のレフィにはどうしようもない。
「見つかったらまずいもんやの? ん?
話してくれんなら、学校の人に言うで」
「本当になんでもないんだ。
それにお前には関係ない、関わらない方がいい」
「その言い方やと、別の誰かが関わってたことやんね。
アナグラの仕事かなんかやろ」
しまった、とレフィは心の中で舌打ちをした。
「まあ、黙っといてもええよ」
「……何が望みだ」
「話早ようて助かるわー。
うちからあんたへ言いたいことがあるんや。 聞いてくれたら、黙っとくよ。」
「それは?」
「それはね……二度とナリルに近付かんことや。
金輪際、ナリルに関わるな」
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