4話 その女、用心棒につき

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「何してんの? 何その床のやつ」 「おおう」 いきなり後ろから話し掛けられ、レフィは振り向きながら太刀に手を掛ける。 そこには梓が不思議そうに床の水を見ていた。 「なんなんそれ。 どうして色変えてん?」 「いや、これは何でもない。 ただ水を零しただけだ」 「ふーん、そうなん」 いきなりニヤニヤと梓は笑顔になった。意地の悪い、悪者の笑みに見える。 嫌な予感がするが、今のレフィにはどうしようもない。 「見つかったらまずいもんやの? ん? 話してくれんなら、学校の人に言うで」 「本当になんでもないんだ。 それにお前には関係ない、関わらない方がいい」 「その言い方やと、別の誰かが関わってたことやんね。 アナグラの仕事かなんかやろ」 しまった、とレフィは心の中で舌打ちをした。 「まあ、黙っといてもええよ」 「……何が望みだ」 「話早ようて助かるわー。 うちからあんたへ言いたいことがあるんや。 聞いてくれたら、黙っとくよ。」 「それは?」 「それはね……二度とナリルに近付かんことや。 金輪際、ナリルに関わるな」
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