4話 その女、用心棒につき

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「なるほど、それが条件か」 レフィはどこか安心した顔で言った。 「てっきりテストの問題用紙パクって来いとか、金をよこせとか、そんなの想像してたが……まあいい。 その条件なら呑もう」 「なんかあっさりやね……。 てっきり慌てるか思たけど」 「簡単な話、お前の言うとおりこれはアナグラの仕事だ。 新人を巻き込むには荷が重いんだよ。 役立たず抱えてやるほど僕は優しくない」 「役……立たずやて……!?」 梓は怒りを露わにし、碧を迸らせる。 体から溢れる碧は大した量で、なかなかお目に掛かれないレベル。学生レベルなら間違いなくトップクラスだ。 「ナリルはなぁ、あんたのことが心配なんやで!」 「僕の知った事じゃないね」 「やっぱりあんたは気に食わん!! ここで叩いてやる!」 溢れる碧を頭上に集め、精霊降ろしを行う梓。その力を自分に降ろし、碧の燐光を放つ目で、レフィを睨む。
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