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ある朝、アナフィアの街に太陽が昇る。その光は街を照らし、人々は活動を開始する。
仕事するもの、仕事を探すもの、ただ散歩するもの、それだけでもたくさんの人が街を出歩き始める時間帯。街は、目を覚ます。
そんな街の中、とある仲介所兼酒場『アナグラ』に一人の少女が入った。酒場にいた男たちも振り返るが、いつものことなのか笑顔で返す。
「こんちは、おっちゃんたち!」
「ようナリルのお嬢ちゃん! いつも元気じゃねえか!」
「もちろんなのさー! 今日は初仕事の初給料日だから、元気がでるさー」
ナリルと呼ばれた少女は、元気よく手を振って答えた。青の短髪に健康的に焼けた肌、少女はスカートを翻し返す。
「なんだスパッツかよ。 色気ねえな」
「失礼だよ、おっちゃん!」
ナリルはスカートを押さえて言った。
「それより……あ、カナッチェさん!」
「あらー、ナリルちゃん。 いらっしゃーい」
カナッチェと呼ばれた、大人の雰囲気を漂わせる美人がカウンターで応対していた。
ナリルは思わずスキップしてしまいそうな足を抑えつつカウンター席に寄りかかる。
「カナッチェさん、はい!」
「あら、依頼達成の証明書ね。
偉いわねー、まだ16なのに仕事をこなせるなんて」
「簡単だったのさー!
たかだかウェアウルフ二体の討伐だからね!
あたし、学校では結構いい成績だしね!」
「あらあら」
カナッチェはコロコロと笑い、その証明書を受け取った。笑顔のまま証明書に目を通す。
すると、カナッチェの顔が少し曇った。
「ナリルちゃん、あなた一人で行ったの?」
「もちろん、これくらい一人で出来るさ!」
「だめよーナリルちゃん。
ここアナグラじゃ、新人は一年間誰かとパートナーを組んで仕事することになってるのよ。
これじゃ、規則違反でおじいちゃんに怒られるわよー」
「う……マスターに?」
「そ、マスターのおじいちゃんに」
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