1st

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「ふ、わ……あれ?」  ゆっくりと起きてまず目にしたのはぼやけた世界。そしてすべすべした冷たい感触が体を覆っていた。 「ゴーグル……ゴーグル……」  僕の弱い視力を補うゴーグルを探し、手で地面をなぞる。 「あ、首にかけてる」  急いで装着すると、視力が戻り、自分の状況を把握する。 「メタフェニちゃん」  メタフェニ、正式名メタル・フレア・フェニックス・F、そして私の召喚獣が私を守るように銀色の金属の羽で包んでいた。 「ありがと」  頭を撫ると嬉しそうに目を細めた。  空は薄暗い。 「そろそろ、時間だなー」  僕はスタート画面を開き、モンスター図鑑を開いた。 「メタル・ルナ・バジリスク……出現場所、プレデモア……出現条件、満月……レアリティは最高か……よし」  この日のために、僕はどれだけ準備をしてきたことか……町でモンスターショーを開いて資金を集め、そこらの家屋に侵入して資金を集め、昼夜逆転生活になれるために昼に寝たけどやっぱり夜にも寝て……などなど血は滲まないにしろ努力はしてきた。そして今や条件は揃った! 「メタフェニちゃん、戻ってねー」  僕はメタフェニちゃんを召喚プレートの中に戻すと、ここ、プレデモアの町を歩き出した。目指すは、町を少し外れた森の中。そこに僕の嫁第……何号だ? まあ忘れた。とにかく嫁が月光を浴びて待っているはz…… 「はーはははー! 盗賊団スモークスピアーのおでましや!」  妄想を打ち砕いて現れたのは懐かしい顔ぶれだった。
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