倉野隆志 2

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会社で仕事をしている時。 突然だった。 「倉野さん、 北村さんとおっしゃる方から お電話入ってます。」 向かい側のデスクの女子社員に言われ、 「ハイハイ。」 と返事をしながら ふと考えた。 ―北村‥? 取引先の‥?― 「はい。お電話かわりました。倉野です。」 『‥‥‥‥‥‥』 「‥もしもし? ‥え~っと。 どちらの 北村さんでしょうか?」 『‥隆志さん‥』 ハッとした。 北村は 彼女の旧姓だ。 「え‥? お義母さんですか‥?! どうかされたんですか‥!?」 『‥隆志さん‥ ‥絵美が‥ ‥ごめんなさい‥』 心臓が ドクンッ 一回、大きく鳴った。 一瞬、大きなめまいがして 気を失いそうになった。 もう、それだけで お義母さんの その声だけで 彼女に起きた『何か』が 軽い事故や 軽い怪我や ましてや 良い知らせで無いことは 容易に 察する事が出来た。
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