倉野隆志 2
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そこからは あまりよく覚えていない。 ただ、 気づいたときには 息を切らせながら 自宅のマンションの前に立っていた。 見たこともない人だかりを かきわけて 俺は建物の中へ入っていった。 その時の俺には 何の音も聞こえず、 見えるものも 自分の視覚じゃないみたいだった。 すごく遠くから 映画館のスクリーンを観ている ような そんな 感覚だった。
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