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「ただいまぁ―‥」
パチッ
今日も残業だった倉野は
誰もいない部屋に
帰ってくる。
一人暮らしの倉野の部屋は
それまで
時間が止まっていたかのように閑散としていた。
脱いだコートと背広をハンガーにかけながら
倉野は部屋全体を眺めながら
もう一度呟く。
「ただいま‥。」
テレビの横には
額に入った写真が
飾られている。
プシュッ
冷蔵庫から取り出した
発泡酒を開け、
倉野はリモコンをテレビに向けながらソファーに腰掛け、
発泡酒を一口、
口に含んだ。
「フゥ―‥」
テレビはついているが
倉野は
テレビの横に飾られている写真を見つめる。
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