帰宅

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10分‥20分‥30分‥ テレビからは 小さなバラエティー番組の声が流れているが 倉野にはそれが 耳に入っていないようだ。 発泡酒を少しづつ 口に含みながら じっと写真を見つめている。 時には フッ と笑みがこぼれ、 時には ククク‥ と思い出し笑いをしているようだ。 そして 時には 「あ~!」 と、何かを思い出したかのように 膝をポンとたたき、 まるで 頭の中で誰かと会話をしている様だ。 そして発泡酒がカラになると 冷蔵庫へ向かい また 小さな発泡酒を取り出した。 「今日はなんだか 気分が良いから もう一本だけ、良いよね?」 倉野は写真に向かって 小さな『乾杯』をし、 また少し口に含んだ。
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