勇者、魔王に敗れる

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 魔王に敗れ、死を覚悟したが、俺は生きていた。意識を失った後、俺は死なない程度の応急処置を施されて地下牢に入れられたらしい。  両手両足は鎖に繋がれていて身動きが取れない、魔法で脱出を試みようと呪文を唱えたが、魔法が発動しない。どうやら牢に魔法を封じる類の仕掛けが施されているようだ。  魔王にやられた傷が痛み、力が思うように入らない。万全な状態であるならばこの程度の鎖などどうとでもなったのだろうが。今の俺では鎖を引き千切ろうとしても、地下牢に鎖の音がむなしく響くだけで壊れる気配は無かった。  俺は鎖を壊すのを諦め、体を休ませる。
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