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「龍哉帰ろ~ツ」
本格的な夏を間近に控えた、春の終わり。
元気よく話しかけても、帰ってくる言葉は一言。
「あぁ」
二コリともしない彼の手に、無理やりと言っていいほど勝手に絡まる私。
「か・え・ろ!」
普段からうるさい私と、普段から物静か(無口)な彼。
私たちが付き合ったと知ったクラスメイト、ううん、学校中の生徒、むしろ先生まで驚いていた。
もちろん3カ月たった今だって、彼の笑った顔なんてレアもので。それでも毎日一緒に帰ってるうちに少しずつ知ってゆく彼の事。
いつものように、歩きなれた学校からの下り坂を歩いていると・・・・・。
「今日俺ん家来んの?」
「来んの?ってイヤなの~!?」
背の高い彼の視線に少しでも入りたくてぴょんぴょんととび跳ねる。
「別に?」
そう言って軽くはにかむ龍哉。
そんな笑顔を前に、不覚にも惚れ直す私。
「着いたから手ぇ離せって」
いつのまにか龍哉の家に着いていたみたい。
「お邪魔しまぁす」
付き合って3カ月、よく遊びに来るこの部屋。
付き合って1カ月、ココで私達は1つになった。
どんどん好きになっていく自分。同時に本当は無理して付き合ってくれてるんじゃないかってすごく不安になった時、龍哉がすごく優しく抱いてくれたの。
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