初めの1歩

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そして今、放課後になって龍哉のお家に居る訳で……。 「真莉」  私がぼーーーッっとしていると、急に龍哉が顔を覗き込んできた。 「え!?」 「ぷッ。何その裏返った返事」  っと目を細めて笑う。 「……えと……」  つい龍哉と目が合うと赤くなってしまう。 だって龍哉の目すごく綺麗な瞳だから、目が合うと吸い込まれてしまいそうで……。 「お前さぁ……」 「何、何?」 龍哉から話しかけてくれるなんて、めったにない。 それなのに… 「…なんでもね」 …へ? 「ちょっと!!気になる!」 龍哉の腕を引っ張る。 「そう」  もう!!いつもの龍哉に戻っちゃった! なんか今優しい感じだったのに。何を言ってくれようとしたんだろう? 「…それ。やるよ」 「へ?」 龍哉が目線で机の上にある小さな箱を示した。 「?何これ?」  手に取ると小さなリボンがかかった箱。 「……」  開けてみると中には可愛いピンクゴールドのピアスが入っていた。 そのピアスは箱の中でキラキラと輝いている。 「ゎ!!可愛い!どうしたの?」 「…姉貴がいらねぇっていってたからお前にやるよ」  こっちを向かずにそう言う龍哉。 なぜかバツが悪いような顔をしている。  良く分からないけど嬉しい! 「わーぃ!お姉さんにお礼言わなきゃ!ってあった事ないよね」 龍哉にはお姉さんがいるらしいんだけどいまだに会った事がない。 「ぃゃ。お礼とか要らねぇから。お前にやるとか姉貴に言ってないし」  彼女がいる事言ってないのかな?ちょっとショック。だけど。 「うん。でも、ありがとう」 龍哉から貰った初めてのプレゼント。 龍哉からのプレゼントじゃないけど、すごい嬉しい……。
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