Mail②

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『さぁ…ひろっチ。着いたぞ。悪いけど一緒に探してくれ。』 再び拝見する廃墟の民宿… 相変わらずジワジワくる怖さを感じる。 できればラップ音が鳴った二階には行きたくない。特にあの一番奥の部屋には…。 今さらだがジッポなんてまた買えばいいんじゃね? やはり怖い所は怖いの一言だよ。 さっさと帰りたい為に、早速建物の中に足を踏み入れた…。 ジッポは懐中電灯を照らすと光輝くので、案外早く見つけられるかも…。 そう思っていたが全然無い。 探しても探しても無い。 『やっぱ二階も見ないといけないよなぁ…』 お経が嫌そうに言う。 『一緒に行って早く見つけて帰ろうぜ。』 考えられるのは、あとは二階だけ…。 俺達は意を決して階段を昇った。 床に光を当てて、とにかく探し回る。 無い、無い、無い…。 探すにつれて、あの奥の部屋に近づいていくのが嫌になる。 またラップ音なんて鳴らねぇよな…。 一歩一歩…ゆっくりと近づいた…。 すると、 『あっ❗あった‼』 俺は光に反射するキラキラとしたジッポを見つけた。 だが妙だった…。 綺麗なハンカチの上に置いてあった…。 そう…あの奥の部屋の前に。 まるで壊れものをそっと扱うかのように、丁寧に置かれていたジッポ…。
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