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『今日行くところは、かなりやばいぞぉ……俺でもビビっちまいそうだぜ…』
『つか、どうしていつも心霊スポットなんだ…?ほかに行くとこあんだろーが。』
毎回、この会話。
えぇ、素晴らしいくらいに。
俺は、寛貴。みなからは‘ひろ’って呼ばれてる。
んで、こっちの廃墟マニアが‘お経’。
もちろん本名じゃないぜ?
話せば長くなるんだが、簡潔にまとめると無類の心霊好きで、どこで覚えたんだか、お経を唱えるまでになってね。
それであだ名が‘お経’…。
本人曰く、とても光栄とのこと。
『おい、まだ着かないのか?』
『あと少しだ、もう少しで着くぞ…。ひろっチ…』
はいはい…。まったく何が楽しくて心霊スポットなんて行かなきゃなんないんだろうね。
俺は幽霊なんて信じちゃいない。見た事もないし感じた事も今まで無い。
だからいい加減、早く済ませて帰りたかった。
まぁお経自体がとてもユニークで面白いから一緒にこうやっているんだけどな。
『ひろっチ…さぁ着いたぞ。ここだ…』
やれやれ、さあ今日はどんな廃墟なんですかね。
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