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ブー、ブー、ブー、ブー、
ブー、ブー、ブー、ブー
……ん
だいぶ眠っただろうか、窓から見えた空は暗闇に包まれかけている。正確には夕方過ぎのようだ。
ブー、ブー、ブー
さっきから鳴りっぱなしの携帯で目が覚めた。
― 着信 お経 ―
『もしもし…俺だけど。』
『おぉ、ようやく出たか。寝てたろ?起こして悪かったな。』
いや、むしろ起こしてくれなければ一日中、寝太郎になっていたところだ。
『んで、どうしたんだ?まさか、これからまた心霊スポットに行くって言うんじゃねーだろうなぁ?』
予感はズバリ的中。
しかし今回はちょっと内容が違うらしい。
お経が言うには、昨日行った民宿の廃墟にどうやらジッポを落としたらしい。あ、ライターの事ね。
それが案外高値のやつらしく、大事にしてきた物だから一緒に探してくれとの事だ。
まぁ100円ライターなら一瞬で諦めはつくが、俺でもジッポなら諦められないかな。
『わかった、行くよ。でも見つかったらすぐ帰るのが条件だぜ?』
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