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「待ってよ~、祐く~ん!」
「愛莉ちゃん早く早くー!」
ある夏の夕暮れ時、蜩(ひぐらし)の声がどこからともなく聞こえてくる。小学2年生くらいだろうか。少年と少女は必死に走っていた。
「早く帰らないと母さんに怒られちゃうよ!」
そう言って少年はさらに走るスピードを上げる。
「それに愛莉ちゃんまで僕のせいで帰るのが遅くなったなんてなったら…」
よほど少年は母親が恐いのか、ブルブルッと身震いする。
「もう、祐くんが悪いんだよ? わたしは早く帰ろって言ったのに~!」
「うっ! それは分かってるけどさぁ…」
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