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鏡に映る美羽は…
「外でデートしようよ」
「やだ、やだ、こんな格好で出たくない」
「久しぶりに、二人のオフが重なったんだ。行こうよ」
俺は嫌がる美羽の手を掴み玄関を出る。タクシーに乗ると、運転手がルームミラーでチラチラと俺達を見ている。
美羽は恨めしそうに俺を横目で睨んだ。
ボサボサのショートヘアに、わざと太く描いた眉毛。牛乳瓶の底みたいな眼鏡に、トドメは鼻の右横に付けた黒子。
背中にはリュック。
完全にオタクか、一昔前のガリ勉だな。
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