《交渉》

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「あなたは僕の何に興味を持ったんですか?」 「君が生粋のいじめられっ子だという事にだ」  彼女は即答した。  彼女のそのストレートなもの言いは内容はともかく清々しく思えた。まぁ許せない内容だが。  そして、彼女は続ける。 「君はあれほどひどいいじめを受けているのに生きている。なぜ死なないのかが疑問でしょうがないんだ。私のこの疑問を今解消できるか?」 「そんな……」  そんなことは考えたこともなかった。ゆえに返答に困る。    なぜ僕は生きているのだろう。    こんな問題いきなり突き詰められて答えられる人間はいるのだろうか?  とりあえず僕に関してだけ言えばNOだ。
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