18人が本棚に入れています
本棚に追加
自称殺人鬼の少女アリスがうちにやって来てから、数日が過ぎたある昼下がりのこと。
僕はカップ麺を啜りながら、仕事の書類に目を通していた。
「なあガトー」
「なんだ」
「それ、なに?」
そう言って、アリスは僕が食べているカップ麺を指差す。
「なんだ、カップ麺も知らないのか?」
「カップ麺?」
そう言って、僕の名前について問答した時のように首を傾げる。
それに僕はため息をひとつ。
「お湯を注いで三分でできるお手軽ラーメンだよ」
すると彼女は目を見開いて、
「お湯を注いで三分でできるお手軽ラーメン……!? た、食べたい……」
と、よだれを垂らす。
「あげないけどな」
「けち」
「食べたかったら自分で買ってこい」
僕のその言葉を聞いて、アリスは無言で立ち上がった。
そしてリビングを出ていく。
最初のコメントを投稿しよう!