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仁王「………なるほど」
未羽の話は思っていたより残酷ぜよ…。
すると、ガタンと扉の開く音がした。
「仁王、そこにいるだろう?」
この声は…!と思い、下を見る。
案の定そこには参謀がいた。
仁王「どうかしたのか?参謀」
柳「そこに川口 未羽という女生徒がいるだろう。彼女を呼んでくれ」
俺は未羽を見た。
かなりビビっている様子だ。
仁王「参謀、未羽はなんだか調子が悪そうなり。あとにして貰えんかのぅ?」
多分、参謀ならこの嘘を見破るだろうが、ついて損はないはずだ。
柳「わかった。俺がそっちに行こう」
参謀は階段に乗って上がってきた。
柳「俺は柳蓮二だ。よろしく。さぁ川口、はやく教室に戻るぞ」
参謀は未羽にそう言った。
未羽は俯いてカタカタと震えていた。
仁王「未羽、参謀は俺のお友達なり。だから安心していいぜよ」
ゆっくり顔を上げた未羽は「お友達………?」と言った。
仁王「そうじゃ」
参謀はゆっくりと未羽の真正面に座り、未羽の両手を握りしめ言い聞かせるように言った。
柳「お前の過去は知っている。だから、あえて言おう。俺たちは過去を知ったからと言って、からかったり、お前をイジメたりなど絶対にしない。これは俺が保証するぞ」
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