恋心は突然に

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「ご、ごめんなさい!!」 知らない子は泣きながら、逃げるように走って行った。 うわぁー、田沼こわ。 「言い過ぎじゃない?」 「言い足りない位ですよ。先輩のこと何も知らないのに噂なんて持ち込んで」 噂ねぇ。 私が会社の男を何股もかけてるなんて、よく新卒の子に噂されるネタよ。 同期は皆知ってるし、私そんな信用ないわけじゃないし。 別に気にしてないんだけどなぁ。 でも、本気でキレてる田沼見ててちょっと嬉しかったな。 「ありがとう田沼。本当に先輩思いのいい後輩だわ」 私はニッコリと笑いながら田沼にそう言った。 いつもなら、そんなこと言わないけど今日は特別。 久しぶりにドキッとしたわけだし? ま、ご褒美ってところかな? 「………」 「田沼?」 だけど、肝心の田沼からの返事がない。 ……なに? 歓喜余って感動みたいな感じ? '
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