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「お、優じゃん。コピー三部よろしく」
「……あんたねぇ、自分でやりなさいよ」
突然、そう言って私の頭を撫でたのは同期の城島薫。
そんな城島の腕を払いのけため息をついた私、宇都宮優。
「いいだろー、別に。俺ら付き合ってるらしいし?」
「……ハァ。まったく、何で毎回私と城島なんだか」
私と城島は決して付き合っているわけではない。
もちろんただの同期。
だけど、毎年のことだけど新卒の中での噂が広がる。
『城島薫と宇都宮優は付き合っている』
まぁ、この噂には慣れてるし殆どの人も真実は知っているわけで。
「……てかさ、城島が名前で呼ぶからじゃない?」
城島は私を宇都宮ではなく、優と名前で呼ぶ。
本人によれば、優の方が呼びやすいからとか言ってたけど。
その呼び方の所為で噂されるんだけど私たち。
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