スタート地点

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「昔なら大丈夫だったんだけどなぁ……」 さすがにこの歳になるとキツイわ。(年齢には触れないで) こういうときに、歳とったな、とか思うのよね。 私、本当にオバサンになったとかね。 「誰かと思ったら優かよ」 「あ、城島」 突然、私の後ろから声が聞こえ振り向くとそこには城島がいた。 城島の残業かぁ。 課長は大変ね…… 「なに?まだ残ってんの?」 「城島こそ」 「ま、俺はいいんだよ」 いや、俺はいいとか知らないわよ、私は。 城島は私のデスクの隣に座ると手に持っていたコーヒーを渡してくれた。 「ん。ありがとう」 「特別に俺が入れたから有り難く飲めよー」 「はいはい、ありがとうございました」 有り難くって言われてもね。 今まで、何度も飲んできたわよ。 私はそんな風に思いながらも、コーヒーを飲んだ。 '
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