恋心は突然に

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「た、田沼さん」 突然、私たちの間に入ってきたのは唐揚げを取りに行ったはずの田沼。 しかも、今回は怒ってるみたい。 顔は見えないけど、声がいつもより低いわね。 「田沼、唐揚げは?」 「取りに行きましたよ。でも、先輩なかなか帰ってこないんで様子を見に来たら……何ですかこれ」 いや、私に言われてもねぇ? 突然、引き留められ長々と話をされていたわけだから。 私にもわからない。 「た、た田沼さん……私」 「言って良いことと悪いことの区別もつかないわけ?あんた頭悪いの?」 うわぁ、キレてるわね。 これはかなりキレてるわ、田沼が。 普段ニコニコ笑って、優しいっていうイメージの田沼がこんな低い声でキレてたらそりゃ、怖いわよねー。 ほら、泣きそうだし。 「私は、た田沼さんが……木南さんに騙されてるん「俺のため?あんたにそこまでされる覚えないんだけど」 '
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