第2話 王様降臨

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  グッと力を込めて、なんとか立ち上がろうとしてみるも、すぐにべしゃ、と座りこんだ。 「……膝が震えてるみたいで」 「……」 「……すみません。収まったらすぐに立ち去るので……」 「……」 天道先輩は真っ黒な瞳でジッと見下ろすと、スタッと私の傍に降り立った。 「……傷」 「え?」 「君、身体中傷だらけだね」 膝小僧に出来た青アザに、天道先輩が手を伸ばす。 それは昨日、階段からつき飛ばされた時に出来た傷だ。 「……っ」 「痛む?」 「い、いえ……っ」  
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