第10話 諒先輩と千衣子

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  「ねぇ、ちーこはさー」 パチン パチン ホッチキスを留めながら、諒先輩が話しかけてくる。 「はい、なんですか?」 私は資料をページごとにまとめて、それを諒先輩に渡す作業。 「雅のこと好きなの?」 「……はいっ?」 突拍子のない質問に、思わず諒先輩を凝視する。 「なんですか、急に」 「いやー、なんとなく? 雅がさー他人に興味を持つなんて珍しいことだからぁ」 パチン ホッチキスを留めながら、諒先輩が私の方を向いてニッコリと微笑んでみせる。 「ちーこが、色仕掛けでも使って誘惑したのかなぁ、って」 「……しませんよ、そんな事」 「まぁ、雅はそんなことで動じる男じゃ無いけどねー」  
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