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「ねぇ、ちーこはさー」
パチン パチン
ホッチキスを留めながら、諒先輩が話しかけてくる。
「はい、なんですか?」
私は資料をページごとにまとめて、それを諒先輩に渡す作業。
「雅のこと好きなの?」
「……はいっ?」
突拍子のない質問に、思わず諒先輩を凝視する。
「なんですか、急に」
「いやー、なんとなく?
雅がさー他人に興味を持つなんて珍しいことだからぁ」
パチン
ホッチキスを留めながら、諒先輩が私の方を向いてニッコリと微笑んでみせる。
「ちーこが、色仕掛けでも使って誘惑したのかなぁ、って」
「……しませんよ、そんな事」
「まぁ、雅はそんなことで動じる男じゃ無いけどねー」
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