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「気のせいかもだけど。
たまに……一人でどこか遠くを見て、寂しそうな顔すんだ」
「……」
ミヤビ先輩が……寂しい?
「何となく俺の直感が
"こいつはほっといちゃいけない"なんて勝手に思ってさー」
「……」
「まっ、その頃からイオは雅と仲良かったんだけどな。イオは小学校からの知り合いみたいだし」
パチン パチン
作業の手を再開する諒先輩。
私も止めていた手を動かす。
――ミヤビ先輩が、寂しい。
そんなこと考えたことも無かった。
あの王様に寂しいという感情が存在するだなんて。
人を寄せ付けない冷酷無血の絶対王政の俺様主義者。
そんな人が寂しいと思うのは一体どの瞬間なんだろう――…
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