第10話 諒先輩と千衣子

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  「気のせいかもだけど。 たまに……一人でどこか遠くを見て、寂しそうな顔すんだ」 「……」 ミヤビ先輩が……寂しい? 「何となく俺の直感が "こいつはほっといちゃいけない"なんて勝手に思ってさー」 「……」 「まっ、その頃からイオは雅と仲良かったんだけどな。イオは小学校からの知り合いみたいだし」 パチン パチン 作業の手を再開する諒先輩。 私も止めていた手を動かす。 ――ミヤビ先輩が、寂しい。 そんなこと考えたことも無かった。 あの王様に寂しいという感情が存在するだなんて。 人を寄せ付けない冷酷無血の絶対王政の俺様主義者。 そんな人が寂しいと思うのは一体どの瞬間なんだろう――…  
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