第10話 諒先輩と千衣子

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「終わったーっ!」 すべての資料をまとめ終えて、私と諒先輩は同時に両手を上にあげた。 「疲れたーっ!」 「くたくたです…」 窓の外を見ると、もうすでに真っ暗だった。 「もうこんな時間……」 「お家、だいじょぶ?」 「はい、連絡したので」 「送ってくよー。こうなったのも俺が原因だしね?」 「いえ、そんな気をつかわずに。バスなので……」 「じゃあバス停までっ!はい、もうけってーい!」 「ちょ、諒先ぱ……っ」 「俺が送りたいの。だめ?」 急に真顔になって、上目遣いをしてくる。 う……っ、卑怯だ……。  
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