第10話 諒先輩と千衣子

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  ――side.ryo "先輩はいつも笑ってますね" "不安になるくらい" ビックリした。 そんな言葉を言われたのは、あまりに久々だったから。 数年前。 『お前っていつも笑ってるな』 ……雅に言われた言葉と、全く同じだったのもある。 俺が中学時代、しつこく雅に話しかけたのは、俺の核心を簡単に見抜いた人間が初めてだったから。 興味がわいたんだ。 こいつはどんなやつなんだろう、って。 ……実際は、王様気質の腹黒男だったんだけど。 要らない物はすべてポイ。 俺もうざがられてはいるけど… 隣にいても完全に拒否されるわけではないから、"要らない物"ではないんだろう。 それが分かってからは更に雅に構うようになった。 ……そのせいか、俺への扱いがひどくなってたんだけど。  
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