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そんな雅が気に入った女。
そりゃもう、ものすごく興味がわいた。
どうやって雅に取り入ったんだろう、この女。俺だって随分時間がかかったのに。
……けど。
『ちょ、み、ミヤビ先輩……!命令が多すぎます!』
『会長の命令は?』
『……ぜ、絶対ですけどぅ…』
あくまでちーこは自然体で。
好かれようと努力する様子は見えなかった。
自分に自信が無いのか、よくキョロキョロしてて、そんでもってよく転ける。
どじでアホだ。
……けど、
『い、痛い…』
『ちーこ、またこけたの?』
『なんでですかねー…、自分でも不思議なんです』
――彼女は弱音を吐かない。
とっても脆くて儚い少女に思えるのに、自分のドジや失敗では涙を流さない。
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