第10話 諒先輩と千衣子

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そんな雅が気に入った女。 そりゃもう、ものすごく興味がわいた。 どうやって雅に取り入ったんだろう、この女。俺だって随分時間がかかったのに。 ……けど。 『ちょ、み、ミヤビ先輩……!命令が多すぎます!』 『会長の命令は?』 『……ぜ、絶対ですけどぅ…』 あくまでちーこは自然体で。 好かれようと努力する様子は見えなかった。 自分に自信が無いのか、よくキョロキョロしてて、そんでもってよく転ける。 どじでアホだ。 ……けど、 『い、痛い…』 『ちーこ、またこけたの?』 『なんでですかねー…、自分でも不思議なんです』 ――彼女は弱音を吐かない。 とっても脆くて儚い少女に思えるのに、自分のドジや失敗では涙を流さない。  
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