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――今日もまた、園原千衣子のいつもの日常が幕を開ける。
「ここなら誰も来ないよねぇ」
「……」
ヒュー、と冷たい風が吹きつける。
立入禁止の屋上。
桃川さんと、いつもの友だち2人組。
私を囲むように立ち、ニヤリと蔑むような笑みを浮かべる。
「ねぇ、園原さん。
あたし、イイコト思いついちゃったんだぁ」
クスクスと
可笑しそうに唇をつりあげながら、彼女はポケットから"あるもの"を取り出した。
銀色に輝く、それは……
「……っ!」
――…ハサミ。
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