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「や、離して……っ」
恐怖を感じて、ぶんぶんと首を横に振る。
やだ、嫌……!!
「抵抗してんじゃねぇよ、クソ女!」
「大人しくしてないと、髪切るだけじゃすまないかもよぉ?」
その言葉にゾッとする。
桃川さんの方を見上げると、彼女はニンマリと笑ってみせて、シャキンと刃を開いてみせた。
「いっきまぁーす」
刃先が、毛束に触れる。
もう……、無理だ。
――ギュッと目を瞑って、来るべきその瞬間をじっと耐えた。
「……うっさ」
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