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そう、どこからともなく聞こえてきた言葉に、桃川さんの動きがピタリと止まった。
バッと振り向いて、叫ぶ。
「誰……っ!?」
「君たちさ、ここが俺の場所だって知ってて騒いでる?」
落ち着いたトーンだけど、刃のように冷たい声音。
その声は、上から。
貯水槽が置いてある、梯子を登った場所から聞こえてきた。
ユラリと黒髪が揺れて、氷の様な醒めた瞳がこちらを捉えた。
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